
ビットコインを始めたいけど、ウォレットって何?
どうやって保管すればいいの?
そんな疑問を持つ方も多いはずです。
ビットコインを安全に管理するためには、ウォレットの理解が欠かせません。
本記事では、ビットコインウォレットとは何か、その使い方や選び方まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
この記事を読めば、自分に合ったウォレットを選んで、安心してビットコインを始められるようになります。
この記事で分かること
- ビットコインウォレットの基本的な仕組み
- ウォレットの種類と特徴
- 安全な使い方と注意点
- 初心者におすすめのウォレット選び
ビットコインのウォレットとは?

ウォレットの基本的な仕組み
ウォレットとは、ビットコインを保管・管理するデジタルなお財布のことです。
普通の財布とは違って、実際にビットコインが入っているわけではありません。
実は、ビットコインを使うために必要な「鍵」を保管している場所なんです。
この鍵があることで「このビットコインは私のものですよ」と証明できるんですね。

銀行のキャッシュカードと暗証番号のような関係だと思ってください。
銀行口座との違い
ビットコインウォレットと銀行口座は、どちらもお金を管理するという点では似ています。
しかし、大きな違いがあるのです。
主な違い
- 管理者: 銀行口座→銀行が管理、ウォレット→自分で管理
- 復旧: 銀行→身分証明書で再発行OK、ウォレット→鍵を失うと復旧不可
- 手数料: ウォレット→安くて24時間送金OK
- プライバシー: ウォレット→個人情報の登録不要
つまり、ウォレットは自由度が高い分、自己責任も大きくなるということですね。
なぜウォレットが必要なの?
ビットコインを取引所で買っただけでは、まだ完全にあなたのものとは言えません。
取引所に預けっぱなしだと、その会社がトラブルに遭ったときに困ってしまうからです。
自分専用のウォレットを持つことで、ビットコインを完全に自分の管理下に置けます。
また、ウォレットがあれば友人への送金やお店での支払いも簡単にできるようになります。
ウォレットの重要な3つの要素
1.ウォレットアドレスとは
ウォレットアドレスとは、ビットコインを受け取るための「住所」のようなものです。
メールアドレスみたいに、このアドレスを相手に教えることで、ビットコインを送ってもらえます。
アドレスの特徴
- 他の人に教えても大丈夫
- プライバシー保護のため、使うたびに変わる
同じアドレスをずっと使っていると、取引履歴から残高がバレちゃう可能性があるので、自動で変わるようになっているんです。
ちなみにこちらが有名なウォレット「メタマスク」のウォレットアドレスの例になります。

2.秘密鍵の役割と重要性
秘密鍵は、ビットコインの所有権を証明する一番大切な情報です。
この鍵があって初めて、ビットコインを送ったり使ったりできます。
秘密鍵はとても長い数字の組み合わせで、人間が覚えるのは無理です。
そのため、普通は「リカバリーフレーズ」という12個か24個の英単語で管理します。
この鍵を失うと、そのウォレットのビットコインは永久に取り出せなくなってしまいます。
3.公開鍵の仕組み
公開鍵は、秘密鍵とペアで働く暗号技術です。
秘密鍵から公開鍵は作れますが、公開鍵から秘密鍵を逆算するのは実質不可能なんです。
公開鍵は他の人に知られても安全で、むしろビットコインを受け取るために必要な情報です。
先ほど説明したウォレットアドレスは、この公開鍵をもとに作られています。
ホットウォレットの特徴

ホットウォレットとは
ホットウォレットとは、インターネットに接続した状態で使うウォレットのことです。
スマホのアプリやウェブサイトからいつでもアクセスできて、すぐにビットコインを送ったり受け取ったりできます。
「ホット」という名前の通り、常にオンライン状態で「熱い」状態を保っています。
必要なときにすぐビットコインを使えるので、日常的な取引にぴったりです。
ホットウォレットのメリット
ホットウォレットには便利な点がたくさんあります。
特に初心者の方には使いやすいメリットが多いんです。
24時間いつでも送金・受取が可能
ホットウォレットの一番の魅力は、時間を気にせずいつでもビットコインを使えることです。
銀行は営業時間が決まっていますが、ビットコインなら深夜でも休日でも関係ありません。
海外の友人に急にお金を送りたくなったとき、銀行なら翌営業日まで待つ必要がありますが、ホットウォレットなら即座に送金できます。
設定が簡単で初心者でも使いやすい
ホットウォレットは、難しい設定を覚える必要がないので、スマホに慣れている人なら誰でも簡単に使えます。
多くのウォレットアプリは、銀行のアプリと同じような操作感で利用できるからです。
LINEでメッセージを送るように、相手のQRコードを読み取るだけでビットコインを送金できちゃいます。
多くが無料で利用できる
ホットウォレットのほとんどは、アプリのダウンロードや基本機能を無料で使えます。
銀行口座の開設に手数料がかかることもありますが、ウォレットなら初期費用ゼロで始められます。
人気のモバイルウォレットアプリは、App StoreやGoogle Playから無料でダウンロードできて、すぐに使い始められます。
スマホがあれば外出先でも利用可能
ホットウォレットがあれば、スマホ一台でどこでもビットコインを使えます。
財布を忘れても、スマホさえあればビットコイン決済ができるんです。
ビットコイン対応のカフェで、現金もクレジットカードも持っていなくても、スマホのウォレットアプリで支払いができます。
ホットウォレットのデメリット
便利なホットウォレットですが、注意すべき点もあります。
これらのリスクを理解しておくことが大切です。
ハッキングのリスクがある
ホットウォレットの最大のリスクは、インターネットに接続されているためハッカーに狙われる可能性があることです。
オンライン状態である限り、悪い人からの攻撃を完全に防ぐのは難しいんです。
過去には大手取引所がハッキングされて、多くのユーザーのビットコインが盗まれた事件もありました。
スマホの紛失・故障で使えなくなる可能性
モバイルウォレットは、スマホに依存しているため、機器のトラブルでビットコインにアクセスできなくなるリスクがあります。
スマホが壊れたり盗まれたりすると、そのままではウォレットを使えなくなってしまいます。
しかし、リカバリーフレーズを安全に保管していれば、新しいスマホでウォレットを復元できるので安心してください。
大金の保管には不向き
ホットウォレットは利便性が高い反面、高額なビットコインの長期保管には向いていません。
常にオンライン状態なので、長期間大きな金額を置いておくのはリスクが高いからです。
数百万円相当のビットコインをスマホのウォレットに入れっぱなしにするのは、大金を財布に入れて持ち歩くようなものです。
どんな人におすすめ?
ホットウォレットは、日常的にビットコインを使いたい人にぴったりです。
オンラインショッピングでビットコイン決済をしたり、友人との送金を頻繁に行う人には非常に便利です。
また、少額のビットコインを管理したい初心者の方にもおすすめです。

操作が簡単で、万が一失敗しても大きな損失になりません。
ホットウォレットの3つの種類
1.ウェブウォレット
ウェブウォレットは、インターネットブラウザからアクセスできるウォレットです。
パソコンでもスマホでも、ネットがあればどの端末からでも使えるのが特徴です。
設定がとても簡単で、アカウントを作るだけですぐに使い始められます。
端末が壊れても他の端末からアクセスできるので、データを失うリスクも低いです。
ただし、秘密鍵を運営会社が管理しているので、完全に自分の管理下にあるとは言えません。
2.モバイルウォレット
モバイルウォレットは、スマホにアプリをインストールして使うウォレットです。
いつでも持ち歩けるので、外出先での支払いや送金にとても便利です。
モバイルウォレットの特徴
- QRコードを読み取るだけで送金先を指定できる
- 指紋認証や顔認証などのセキュリティ機能
- 秘密鍵をスマホ内で自分で管理
- 外出先での決済に最適
デメリットは、スマホの紛失や故障でアクセスできなくなることです。定期的なバックアップが重要になります。
3.デスクトップウォレット
デスクトップウォレットは、パソコンにソフトをインストールして使うウォレットです。
パソコンの性能を活かした高機能なものが多く、本格的にビットコインを管理したい人に向いています。
秘密鍵をパソコン内に保存するため、自分で完全に管理できます。
ネットに接続していないときは、ハッキングのリスクもほぼゼロです。
注意点は、パソコンが故障すると使えなくなることです。
コールドウォレットの特徴

コールドウォレットとは
コールドウォレットとは、インターネットから完全に切り離された状態でビットコインを保管する方法です。
「コールド(冷たい)」という名前の通り、オフライン状態で「冷却」されています。
主に長期保管を目的として使われ、「貯金箱」のような役割を果たします。
頻繁に取引はしないけど、大切なビットコインを安全に保管したい場合に最適です。
安全性が高い理由
コールドウォレットの安全性が高いのは、ネットから物理的に切り離されているからです。
どんなに優秀なハッカーでも、オフラインの機器にはアクセスできません。
安全性の理由
- ネットから物理的に切断されている
- ウイルスやマルウェアの影響を受けない
- デジタル攻撃が物理的に不可能
- 複数の場所にバックアップ保管できる
家の金庫に現金を保管するのと同じ原理なんです。
適切に管理すれば、数十年間安全にビットコインを保管できます。
利用時の注意点
コールドウォレットの最大の注意点は、使い勝手が悪いことです。
ビットコインを使いたいときは、オフラインからオンラインに移す作業が必要で、時間と手間がかかります。
また、物理的な管理が重要になります。
紙に印刷したものは火事や水害で失われる可能性があり、専用機器は故障や紛失のリスクがあります。
操作も複雑になりがちなので、初心者の方は少額で練習してから本格的に使うことをおすすめします。
コールドウォレットの2つの種類
1.ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットは、USBのような専用機器でビットコインを管理する方法です。
秘密鍵を専用機器の中に安全に保存し、取引するときだけパソコンに接続します。
機器自体にセキュリティチップが搭載されていて、物理的な攻撃にも耐えられる設計になっています。
取引の承認は機器の画面で確認できるので、パソコンがウイルスに感染していても安全です。

価格は1万円程度からですが、大きな金額を保管するなら必要な投資です。
2.ペーパーウォレット
ペーパーウォレットは、秘密鍵を紙に印刷して保管する最もシンプルな方法です。
完全にアナログなので、デジタル攻撃を受ける心配が一切ありません。
ポイント
- 完全にオフラインで安全
- 作成費用がほぼゼロ
- 火事や水害に弱い
- 基本的に使い切り
作成方法は、専用のウェブサイトで秘密鍵とアドレスを作って、それを紙に印刷するだけです。
ただし、紙は火事や水害に弱く、インクが薄くなって読めなくなるリスクもあります。
どちらを選ぶべき?
初心者で使いやすさを重視するなら、ハードウェアウォレットがおすすめです。
操作が簡単で、復元も簡単にできるからです。
コストを抑えたい場合や、本当に長期間触らない予定なら、ペーパーウォレットも良い選択です。

理想的には両方を使うことで、安全性と利便性のバランスが取れます。
ウォレットの選び方

取引頻度で選ぶ
ビットコインをどのくらいの頻度で使うかによって、最適なウォレットは変わります。
毎日取引する人と、長期保管だけを考える人では、必要な機能が全然違うからです。
ポイント
- 毎日取引: モバイルウォレット + ウェブウォレット
- 月1〜2回: ハードウェアウォレット
- 年数回のみ: ペーパーウォレット
- 長期保管: コールドウォレット
頻繁に取引する場合は、ホットウォレットが必須です。
反対に、年に数回しか触らない場合は、多少手間がかかってもコールドウォレットの方が安全です。
セキュリティレベルで選ぶ
保管するビットコインの金額によって、必要なセキュリティレベルも変わります。
少額なら多少のリスクを取っても利便性を優先し、高額なら多少不便でも安全性を最優先にすべきです。
数千円程度の少額なら、モバイルウォレットでも十分です。
しかし、数十万円以上の高額になると、ハードウェアウォレットやペーパーウォレットでの保管が必要になります。
初心者におすすめのウォレット
ビットコイン初心者の方には、まず取引所のウォレットから始めることをおすすめします。
口座開設と同時にウォレットも作られて、特別な設定は不要だからです。
慣れてきたら、モバイルウォレットを試してみましょう。
少額を移して、送金や受取の練習をすることで、ビットコインの仕組みが理解できます。

最終的には、金額に応じてウォレットを使い分けることを目指しましょう。
ウォレットの作り方
取引所ウォレットの作成手順
取引所ウォレットは、暗号資産取引所に口座開設すると自動的に作られます。
まず、信頼できる国内取引所を選んで、公式サイトにアクセスしましょう。
作成手順
- メールアドレスを登録
- 本人確認書類(運転免許証など)をアップロード
- 本人確認完了後、ウォレットが自動作成
- 二段階認証の設定
本人確認が完了すると、ビットコインの購入や保管ができるようになります。
セキュリティ設定として、必ず二段階認証を有効にしましょう。
モバイルウォレットの導入方法
モバイルウォレットを使うには、まずスマホに専用アプリをインストールします。
App StoreやGoogle Playで「ビットコイン ウォレット」と検索して、評価の高い公式アプリを選びましょう。
アプリを起動すると、新しいウォレットの作成が始まります。
この時、12個か24個の英単語からなる「リカバリーフレーズ」が表示されます。

これは絶対に紛失してはいけない重要な情報なので、紙に書き写して安全な場所に保管してください。
ハードウェアウォレットの購入と設定
ハードウェアウォレットは、専用機器を購入する必要があります。
必ず正規代理店や公式サイトから購入して、中古品やフリマサイトは避けましょう。
設定手順
- 正規店から機器を購入
- 封印シールの確認
- 専用ソフトのインストール
- リカバリーフレーズの記録と保管
機器が届いたら、まず箱に封印シールがあることを確認します。
設定中にリカバリーフレーズが表示されるので、付属の紙に正確に書き写してください。
ウォレットの使い方

ビットコインを受け取る方法
ビットコインを受け取るには、まず自分のウォレットアドレスを確認します。
ウォレットアプリを開いて、「受取」や「Receive」のボタンをタップすると、QRコードと英数字のアドレスが表示されます。
アドレスをコピーして相手に送るか、QRコードを見せて読み取ってもらいます。

アドレスはとても長いので、手入力はミスの原因になります。
必ずコピー&ペーストかQRコードを使いましょう。
ビットコインを送る方法
ビットコインを送金するには、相手のウォレットアドレスが必要です。
ウォレットアプリの「送金」や「Send」ボタンをタップして、送金先のアドレスを入力します。
送金手順
- 送金先アドレスの入力
- 送金金額の設定
- 手数料の選択
- 内容確認後、送金実行
送金する金額を入力したら、手数料も設定します。
手数料が高いほど送金が早く完了します。
送金後は取り消しができないので、アドレスと金額を必ず再確認してください。
残高確認と取引履歴の見方
ウォレットの残高は、アプリを開くとメイン画面に表示されます。
通常はビットコインの数量と、現在のレートでの日本円相当額が表示されます。
取引履歴は「履歴」や「History」のページで確認できます。
送金と受取がリスト表示されて、それぞれの日時、金額、相手のアドレスが記録されています。
これらの情報は税務申告の際にも必要になるので、定期的に確認しておきましょう。
ウォレット利用時の注意点
リカバリーフレーズの管理
リカバリーフレーズは、ウォレットを復元するための最重要情報です。
通常12個か24個の英単語で構成されていて、この順番を正確に保管することで、万が一機器を紛失してもウォレットを復元できます。
保管時の注意点
- 絶対にデジタルデータとして保存しない
- 必ず紙に手書きで記録
- 複数の安全な場所に分散保管
- 家族にも保管場所を伝える(信頼できる人のみ)
スマホのメモやクラウドに保存すると、ハッキングのリスクがあります。
必ず紙に手書きで記録して、複数の安全な場所に分散して保管しましょう。
送金時の確認ポイント
ビットコインの送金は取り消しができないので、送金前の確認がとても重要です。
まず、送金先のアドレスが正しいことを必ず確認しましょう。
ビットコインは小数点以下8桁まで指定できるので、桁数を間違えやすいんです。
また、手数料も含めた総額が予算内に収まっているかチェックしましょう。
詐欺の手口と対策
ビットコイン関連の詐欺はとても多く、様々な手口があります。
最も多いのは偽のウォレットアプリです。
主な詐欺の手口と対策
- 偽ウォレットアプリ: 公式サイトからのみダウンロード
- SNS投資詐欺: 「必ず儲かる」話は全て詐欺
- フィッシングサイト: URLを確認し、ブックマークからアクセス
- なりすましアカウント: 有名人からのDMは疑う
「必ず儲かる」「倍にして返す」といった甘い言葉に騙されてはいけません。
怪しいと感じたら、すぐに利用を停止することが重要です。
ウォレットのまとめ
ビットコインウォレットは、暗号資産を安全に管理するための重要なツールです。
用途や金額に応じて適切なウォレットを選んで、正しく使うことで、ビットコインを安全に保管・活用できます。
初心者の方は、まず取引所のウォレットから始めて、慣れてきたらモバイルウォレットやハードウェアウォレットに挑戦することをおすすめします。

何より大切なのは、リカバリーフレーズの管理と、基本的なセキュリティ対策を怠らないことです。