ビットコインを語るうえで欠かせない「ブロックチェーン」。
でも、その仕組みってちょっと難しそう…と思っていませんか?
この記事では、ブロックチェーンがどんな技術なのかを、やさしく解説していきます。
まずは「ブロックチェーンって何?」という基本から、一緒に見ていきましょう。
この記事で分かること
- ブロックチェーンの基本的な仕組みと特徴がわかる
- ビットコインとの関係やメリット・デメリットが理解できる
- セキュリティや活用例など、なぜブロックチェーンが注目されているのかがわかる



ブロックチェーンって何?

ブロックチェーンとは、情報を安全に記録し、みんなで共有するための技術です。
データを「ブロック」にまとめて、鎖(チェーン)のようにつなげていきます。
この仕組みは「分散型台帳」とも呼ばれ、一か所ではなく全体で管理されるのです。
そのため、不正な書き換えができず、安心して使えるのが特長となります。

一人ではなく「みんなで守る」ことがブロックチェーンの強さです。
ブロックチェーンの4つの特徴
ブロックチェーンには、情報を安全に守るための4つの大切なポイントがあります。
ポイント
- 1.みんなでデータを管理する
- 2.暗号技術でデータを守る
- 3.小額でテスト送金してから本送金する
- 4.自動で契約を実行する
それぞれ解説していきます。
1.みんなでデータを管理する
ブロックチェーンでは、情報は世界中のコンピューターに分けて保存されます。
これにより、次のようなメリットがあります。
- 特定の人が勝手に内容を変えることができない
- ひとつの場所が壊れても他でバックアップされている
2.暗号技術でデータを守る
ブロックチェーンでは「暗号」という技術を使って、情報をしっかり守っています。
データを見るためには特別な「鍵」が必要で、この鍵を持っている人だけがデータを正しく確認できます。
そのため、勝手にデータを書き換えたり、盗み見たりすることはできません。
3.取引の正しさを確認する仕組み
新しい取引を記録するときには「マイニング」という作業が行われます。
これは、特別な計算を使って取引の正しさを確かめる作業のことです。
- 間違った取引は記録されにくい仕組みになっている
- 正しい計算を最初に終わらせた人には報酬がもらえる
4.自動で契約を実行する
ブロックチェーンには「スマートコントラクト」というしくみがあります。
これは、あらかじめ決めたルールどおりに取引を自動で実行する仕組みです。
たとえば「お金を払ったら、商品が届く」といった約束を、間違いなく、誰の手も借りずに実行できます。
ミスやトラブルが減るので、安心して使えるしくみです。

人の手を介さずにルールどおり動くので、「信頼できる自動販売機」のようなイメージで考えるとわかりやすいです。
ブロックチェーンの種類
ブロックチェーンには、使い方によって大きく3つの種類があります。
ブロックチェーンの種類
- 1.パブリック型
- 2.プライベート型
- 3.コンソーシアム型
1.パブリック型
誰でも参加できるオープンなブロックチェーンです。
取引内容が公開されていて、透明性が高いのが特徴です。
- 参加者が多く、信頼性が高い
- その分、取引の処理に時間がかかることもある
ビットコインやイーサリアムはこのタイプのブロックチェーンで、誰でも自由に参加できて、世界中の人が取引を記録・確認しています。
2.プライベート型
特定の企業や団体だけが参加するブロックチェーンです。
- 処理が早く、ルールの変更もしやすい
- 外部には情報が見えないため、透明性は低め
社内業務など、限られた人だけで使う場合に向いています。
3.コンソーシアム型
複数の企業や団体が共同で管理するブロックチェーンです。
- パブリック型とプライベート型の中間のような仕組み
- 公平性とスピードのバランスがとれている
主に業界全体で使うようなシステムに向いています。
取引情報が記録されるまでの流れ
ブロックチェーンで取引が記録されるまでの手順を簡単に説明します。

①.取引情報を作る
誰かがビットコインを送ると、その取引情報(トランザクション)が作られます。
たとえば、「AさんがBさんに1ビットコイン送る」といった情報です。
このデータは、まだブロックチェーンには記録されていません。
②.取引情報をチェックする
世界中のコンピューター(ノード)が、その取引が正しいかどうかを確認します。
たとえば、送金する人が本当にそのビットコインを持っているか、送る相手のアドレスが正しいかなどをチェック
問題がなければ、次のステップに進みます。
③.マイニング(データを記録する作業)
取引が正しいと判断されると、「マイニング」という作業が行われます。
これは特別な計算をして、正しいデータをブロックにまとめていく作業です。
この作業をする人は「マイナー」と呼ばれ、報酬としてビットコインを受け取ります。
④.ブロックチェーンに追加される
新しく作られたブロックは、前のブロックとつながれて、ブロックチェーンに追加されます。
こうして取引の記録が確定し、だれにも書き換えられない安全な情報として保存されるのです。
ブロックチェーンは、こうしたステップをすべて自動で行うことで、信頼性の高い仕組みを実現しています。
これからも、金融だけでなく、さまざまな分野で使われていくことが期待されています。
ビットコインとブロックチェーンの仕組みとメリット・デメリット

それぞれのメリットどデメリットを紹介します。
ブロックチェーンの3つのメリット
1.改ざんがとても難しい
ビットコインでは、データを守るために「ハッシュ値」という特別なコードが使われています。
これは、データのつながりを証明する暗号のようなもので、勝手に内容を書き換えるとすぐにバレてしまいます。
さらに、ブロックチェーンは、1つのブロックが前のブロックとつながっているため、1つ書き換えるとすべてのブロックを変更しなければなりません。
仕組みの特徴
- ハッシュ値でつながっている
- 一つでも書き換えると全体に影響する
- 膨大な計算力が必要なため改ざんはほぼ不可能
ただし、ネットワーク全体の51%以上の計算力を持つ人がいれば、取引の書き換えや不正な承認ができる可能性があります。
これを「51%攻撃」と呼びますが、実行には莫大なコストと設備が必要なため、現実的には非常に難しいとされています。
2.運営コストが安い
ブロックチェーンは、銀行のように特定の組織が管理するのではなく、世界中のコンピューターが協力して動かしています。
そのため、大きなサーバーや人件費がかからず、コストを抑えられます。
主なメリット
- 海外送金でもコストが低い
- 大規模な設備や人件費が不要
- みんなが少しずつ支えることで全体が動く
- 送金手数料が銀行より安いことが多い
3.システムが安定している
銀行のシステムは、一部が止まると全体の取引も止まってしまうことがあります。
しかし、ブロックチェーンは世界中のコンピューターで動いているので、どこか一部が止まっても、他の部分が動き続けてくれます。
そのため、ビットコインは2009年に誕生してから、一度もシステム全体が止まったことがありません。
これは非常に安定した技術の証といえます。
ブロックチェーンの3つのデメリット
1.取引が遅い
ブロックチェーンでは、新しい取引データ(ブロック)が追加されるまでに約10分かかります。
これは、1つ1つの取引をしっかり確認してから記録するためです。
また、ビットコインは1秒間に処理できる取引の数が限られているため、クレジットカードのようにすばやく決済するのは難しい面があります。
デメリットの内容
- 解決策として「オフチェーン技術」などが開発中
- 新しいブロックの作成に約10分かかる
- 処理スピードが遅く、日常利用には不向きな場面もある
2.取引が増えると手数料が高くなる
利用者が増えると、取引の混雑が起きやすくなります。
すると、より早く処理してもらうために高い手数料を払う必要が出てくることがあります。
この問題は「スケーラビリティ問題」と呼ばれており、特に少額の送金には不向きな状況になることもあります。
注意ポイント
- 少額送金ではコストが割に合わない
- 取引が増えると混雑しやすい
- 手数料を高くしないと優先してもらえない
3.法律が追いついていない
ビットコインやブロックチェーンは新しい技術なので、まだ多くの国で法律が整っていない状況です。
たとえば、一部の国では仮想通貨の取引が禁止されていることもあります。
日本では2017年に法律が整い「暗号資産」として扱われていますが、新しい技術が次々と登場するため、今後も法律の見直しが必要とされています。
将来どのような規制が出てくるかは、まだ予測が難しい段階です。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
安全性 | 改ざんがほぼ不可能 | 51%攻撃の可能性あり(実行は困難) |
コスト | 銀行より手数料が安い | 利用者が増えると手数料が高くなる |
安定性 | システムが止まりにくい | 取引に時間がかかる(約10分) |
法律 | 透明性が高く安心 | 法整備がまだ不十分で不透明な面も |
ビットコインとブロックチェーンの関係

ビットコインの仕組みは、「ブロックチェーン」という技術に支えられています。
ここでは、ビットコインとブロックチェーンの関係や、ブロックチェーンの応用、安全性についてわかりやすく解説します。
ビットコインはブロックチェーンなしでは成り立たない?
ビットコインの仕組みは、ブロックチェーンがあるからこそ成り立っています。
ブロックチェーンのポイント
- すべての取引はブロックチェーンに記録される
- 情報が世界中のコンピューターで共有される
- 改ざんや二重支払いを防ぐ仕組みになっている
取引の安全性や透明性を保つために、ブロックチェーンは欠かせない技術です。
ブロックチェーンはビットコイン以外にも使われる?
ブロックチェーンはビットコイン以外にも使われる?
ブロックチェーンは、ビットコイン以外にもさまざまな分野に使われています。
以下が代表的な活用例になります。
- スマートコントラクト(デジタル契約)
- 物流や商品の流れの管理
- オンライン投票システム
- 医療データの安全な共有
今後もブロックチェーン技術は、いろいろな分野で活用が広がっていくと考えられています。
ブロックチェーンのセキュリティは本当に安全?
ビットコインのブロックチェーンは、世界中の多くのコンピューターが参加してデータを管理・監視しています。
- 情報が分散しているため、一部が攻撃されても全体への影響は少ない
- 取引は多数のノードによって確認され、正しいものだけが記録される
このように、ネットワーク全体で守る仕組みがあるため、ビットコインのブロックチェーンはとても安全性が高いのです。
ハッキングされた事例はある?
ビットコインのブロックチェーン自体がハッキングされたことはこれまでにありません。
ただし、以下のような事例はあります。
- ビットコインを管理している「取引所」がハッキングされる
- 個人の「ウォレット」が狙われて盗まれる
これらの被害を防ぐには、次のような対策が大切です。
するべき対策
- 自分の「秘密鍵」をしっかり保管する
- セキュリティ性の高いウォレットを使う
- 取引所のセキュリティ情報を確認する
ブロックチェーンは安全でも、使う人がきちんと管理しないとリスクが生まれます。
なぜブロックチェーンは注目されているのか?
ブロックチェーンは、これまでの常識を変える可能性がある新しい技術として注目されています。
その理由は次のような点にあります。
- 情報の改ざんがほぼ不可能で、信頼性が高い
- 特定の管理者がいなくても仕組みが成り立つ
- 世界中の人が自由に参加でき、オープンなネットワークを作れる
- 金融だけでなく、行政や医療、エンタメなど幅広い分野に応用可能
このように、ブロックチェーンは「未来のインフラ」として、社会全体を支える技術になると期待されています。
【まとめ】ブロックチェーンは信頼を支える革新的な技術
ブロックチェーンは、改ざんできないしくみと分散管理によって、デジタル上の「信頼」を作り出す技術です。
ビットコインのような仮想通貨を支えるだけでなく、さまざまな分野で活用が広がっています。
活用の例
- スマートコントラクト(デジタル契約)
- ビットコインなどの仮想通貨の管理
- 物流や商品の追跡管理
- オンライン投票や本人確認
中央の管理者がいなくても、みんなで取引の正しさを確かめ合う仕組みがあるからこそ、安心して使うことができます。
ブロックチェーンはこれからの時代に欠かせない重要な基盤として、ますます注目されるでしょう。